ふと思い立った日 フランス編
2009年9月から2010年8月の約1年、私はフランスにいた。人生で初めての長期留学。学生時代に交換留学としてドイツのベルリンに1ヶ月滞在したが、手配からすべて大学が準備してくれるなんともお気楽な感じ。
大人になってからのフランス留学は何から何まで自力。留学エージェントを介さず全部自力でやった。経費節約にはなったが、かなり大変だったと思う。モチベーションってすごい。
今から10年前の出来事。思い起こす限り書き記しておく。
留学に至るまでの経緯
フランス語教室に通う
25歳頃プライベートと仕事が全くうまくいかない暗黒期。今思えば自分で蒔いた種とも言えるが、体調を崩し10キロ減の激ヤセ&逆流性食道炎を発症。プライベートでは不毛な恋愛に区切りをつけようと悶え苦しんでいた時期。とにかくリセットしたくて最初の職場を退職することに。就活中暇だったので何かを始めようと探していた時、めちゃくちゃご近所にフランス語教室があることを知る。
アポを取って初めてのフランス語教室へ。個人経営なのにフランス人1人が常駐しているという本気具合。先生は6年間パリで仕事をしていた経験があり、マシンガントーク冴え渡るなかなか闊達な女性。
お試しで10回3万円という、某イー◯ンよりは値がはるが、全て個人レッスンで対応してくれるとのこと。
恐らく勢いに押されたのだろう。取り敢えず様子見で自転車で通うことした。
フランス語最初の難関
学生時代にドイツ語学習の経験があったので名詞の性別が男性名詞と女性名詞の2つしかないのはなんだか嬉しかった。ドイツ語はさらに中性名詞が出てくるので。
とはいえ初めて学ぶフランス語。動詞の活用には当初慣れなかった。今ではコツを掴み?ごまかしてしまう術も覚えてしまったが(いかんいかん)、レッスン時はいかんせん先生がガチ、そしてマンツーマンという絶対的指導が入る環境だったので、活用ができないたびに冷や汗をかいていた。
誰もが通るêtre とavoirの活用。これが出来なかった…。今では当然の如く使えるが(でないと先に進めない)、この活用ができないがためにフランス語を辞めてしまおう!と自転車で教室に向かう度に思っていた。
フランス語を辞めようか
10回目のラストのレッスンで「じゃあお試しも終わったので、私はこれで・・・」とおさらばしようとしたら先生が「あなたは特別に1時間3500円のところ3000円で良いわ!」続けて「このまま続ければフランス留学できるわよ!」とムムム?私の兼ねてからの願い「ヨーロッパ長期留学」を前面に出してくるではないか!!
しかも、他の人よりお得なんだわ!という貧乏人根性が芽生え結局継続することに。
こうして近所のフランス語教室に週一で自転車で通うことになった。
職場帰りの教室
就職先が決まり、駅前まで自転車で通う日々。
閉鎖的な環境で初めての事務職。体力温存の為に事務職を希望したのだが、こんなに暇だとは思っていなかった。
平凡な日々に唯一の救いとなったのが、毎週水曜日のフランス語レッスン。仕事帰りに自転車でいそいそと通う。
たまにフランス人男性がレッスンしてくれて、それも楽しかった。とはいえまだまだ全然話せないし分からない。そのフランス人男性が頭の回転が早くてついていけないことも。
恋心が芽生えそうなのを抑えながら、でもレッスン後はニマニマしながら自転車を漕いだ帰った。ある日、近道をしようといつもは通らない道へ入った瞬間、天地がひっくり返った。
何事か?と思った後にガシャーンと音がした。
我に返った時、私は草むらの中に転がっていたのだ。
道だと思って入った所は実は草むらで、しかも段差があるところ。そこへ私は突撃して自転車が…
あの時できた生傷は今も残っている。
二重生活
順調に仕事とフランス語教室のルーティンができ、仏検3級も無事取得。
27歳の歳になんとしてもフランスの地に立たねば。
なぜなら、占い師に27歳で結果が出る、と言われていたから。。。
結果を出したい!!
今思えば、バカだなーの一言だけど、あの頃はマジだった。